RE: 私の中のヒーロー

わたしの中のヒーローなぁ．思い出すのは俺が会社に入った頃に，会社の人たちが通っていた喫茶店で，俺も仲間ではなかったんだけれど，彼も仲間にあまり入らないタイプだった．俺の元上司でリストラされた彼も仲間に入っていない．

そういう仲間に入らない仲間が，俺とリストラされた元上司と亡くなった彼だ．

なぜか，３人で仲が良い．もちろん俺が勝手に思っているだけで，仲の良い二人に，俺がついてきたみたいに思う．それが正しい．

俺が２０歳だと，元上司は３５歳くらい．彼は４０歳くらいかな．だからかわいがってもらったに違いない．仲間に入らない自分が不思議だったのかも知れないと今では思う．

会社って，先輩がいるわけで，割と数人の仲間が出来るんだ．数グループに分かれるんだね．で，どのグループにも所属しないと，会社に慣れ泣くって辞めちゃう時代だったと思う．で，俺の仲間はみんな辞めたから．

２０歳の俺は，彼から仕事のようなものを学ぶのだけれど，仕事というより，論理を学んだと思う．考え方の論理のようなものだ．人が生きていくとか，社会人だからどうとか．そういう講釈も聞かないといけないんだけれど，たぶん．大事なのは姿勢なんじゃないかな．仕事に対する姿勢だ．

彼は，技術部次長さんだ．その頃の部長さんはすっごく怖くて，俺はほとんど話したおぼえは無い．技術部次長さんは話しやすい．二人いたんだけれど，話しやすい．俺は態度が良くｊないと言うか．敬語とか知らないんだ．まー．とんでもない若者がいたわけだ．今いる会社の若者がかわいいぐらいだそうで，俺は周りをヒヤヒヤさせる名人みたいな感じだ．

俺は工場だから労務職というか技能職だし．彼は技術者だ．畑も違うよ．

ただ，彼はいいみたいで，教えてくれる．大事な事は学ぶ姿勢だそうだ．学ぼうという意欲なんだそうで，学び続けるという姿勢だそうだ．あきらめると時代において行かれるそうです．うまく言えないんだけれど．

ただ，何か本を選ぶんだそうで，出来ればシリーズものが良いそうだ．勧められたんじゃなかったけれど，日経文庫の入門シリーズを選んだ話をしたら，そういうものだって言われた．日刊工業新聞社の雑誌を読みます．と話したらそういうものだって．日科技連のシリーズものも読んだなー．

最初は分からないけれど，ずっと読んでいくと分かるようになるんだって，そういうものだって．

なぜか，電気関係の本は勧められなかった．コンピュータの本はよく読んだんじゃないかな．当時の事だからＡＳＣＩＩだろう．ＭＳＸマガジンだったかも知れないけれど，すぐに９８を買ってＡＳＩＩになったんじゃないかな．

そうそう．音楽の話はいっぱいしたした．

インテックス大阪で，彼の子供と会った．そして彼は，同じ会社に入った．子供は彼と全然違うぞ．

ただ，こういう風にかわいがって教えてくれた彼は，簡単に亡くなった．俺の会社が調子に乗って，別の子会社を作った．彼はその会社の責任者になったんだ．実は若い俺は誘われたそうだが，リストラされた元上司やその上の上司が猛反対だったそうだ．俺は知らないんだ．冗談で言われただけかも知れないし．ただ，噂ではそういう事があって，俺の後輩が抜擢されたはず．

まー．でも，時代の流れでその会社は無くなった．今も名前だけある．メンバーも残っているし．

彼なら定年後も働き続けていただろう．定年前になくなったからな．

俺．その彼がヒーローなのに．全然，なれていないよ．全然だ．